このステップでは
「仮影」を塗ります。
仮影を入れる理由は、
絵の完成状態が想像しやすくなり、色分けしたパーツだけを見て塗らないことで、視野が広がり、全体の量感が整いやすくなります。最近うちでは必ず入れるようにしています。(彩色スタッフへの指示も兼ねてます。)
最初から完成時の影イメージが想像できていれば、仮影はやらなくてもいい作業なんですが、慣れないうちは練習としてもやっておくと良いと思います。
一見遠回りしているように見えるかもしれませんが、
「急がば回れ」です。
最終的な効率や完成度が上がる、と思いましょう。
では、仮影の塗り方を説明します。
下塗りの上に乗算で「仮影レイヤー」を1枚作成し、仮影(大まかな影のアタリ)をざくざく塗っていきます。ここではSAIを使って、鉛筆、ぼかし、消しゴムツールを利用してどんどん塗っていきます。
完成図の全体像を想像しながら、大まかに仮の影を入れていきます。
多少はみ出そうがアタリなのでお構いなしです。最終的には使用しないものですし。
まず落ち影の仮影だけ入れました。色は適当な1色のみ使用しています。脚・スカート部分の仮影がざっくり入った状態です。上半身はこんな感じ。やり過ぎや不足を感じたら消したり塗り足したりしながら調整していき、
全体を見ながら大胆にやっていくといいと思います。
うまくいかない時は消すぐらいの気持ちでどんどん行きましょう。
慣れないうちは
「形状による影」(
「陰」のこと。一般
「カゲ」と呼びます)と
「光が遮られてできる影」(
「影」。一般に
「落ち影」と呼ばれます)を混同しやすいので、
それぞれレイヤーを分けて塗ると良いでしょう。
これが「仮影」の完成図です。次のステップでようやく実際に使用する影を塗っていきます。