このステップでは
髪を塗っていきます。
SAIの鉛筆ツールで丁寧に塗っていきましょう。
下塗り状態です。1影を塗りました。2影を塗りました。次に
ハイライト(白く反射しているところ)を塗ります。
ハイライトを入れました。ぼかし作業は後で、Photoshopでやります。この絵のように長い髪を塗るのは時間がかかりますが、「髪らしさ」を出すためにも丁寧に塗りたいところです。
一方で、
現実の髪そのままに塗ろうとするとディティールが細かくなりすぎてしまいます。髪を塗る時は
「現実を把握した上で、一度自分の頭の中で整理し、綺麗に見えるよう再解釈して」塗っていくのが良いと思います。
(Step2の仮影段階では、髪部分に関しては大まかにしか塗っていませんでした。最終的にしっかり時間をとって取りかからないといけない箇所なので、仮影の段階ではあえて細かく塗らなかったのです。)
SAIの鉛筆ツールの良いところは、塗った部分のフチが際立つのと、手ぶれ補正機能で綺麗な曲線になることです。
自分の場合、
手ブレ補正は低めで3ぐらいにしていることが多いのですが、曲線が苦手な方は手ブレ補正の数値を大きくすると塗りやすいと思います。
またPhotoshopですと、ブラシで塗るとフチがややボケた感じの塗りになりやすいです。
フチを際立たせたい場合はブラシを調整して、
「ブラシ間隔」という項目を初期状態の25%から1%に変更するとフチが際立ちやすくなります。
Photoshopで塗る場合のブラシ調整例。ブラシ間隔を初期状態の25%から、1%に変更しました。パスツールを使って塗る方もいると思いますが、その場合は曲線が綺麗すぎて髪がプラスチックのような固形物に見えないよう注意すると良いでしょう。
SAIでの髪塗りはここまでです。SAIでざっくり髪を塗った状態です。いわゆるアニメ塗り状態です。ここからPhotoshopに移行します。まだ髪に情報量が足りないので、階調を足していきます。
新しく影レイヤーを作り、Photoshopのブラシツールで、
硬さが0%のブラシを使って塗っていきます。硬さが0%だとブラシのボケ幅が広いので、サイズが大きめのブラシを使って塗ると綺麗に階調をつけて塗ることができます。この絵では
200~1500pxぐらいの大きさのブラシを使いわけながら塗っています。
Photoshopのブラシを階調追加用に調整(ブラシの硬さを0%に)しました。髪に手描きの階調(グラデーション)を追加。まだ髪が少し硬い印象を受けるので、綺麗にしていきましょう。
前髪の影の、上の細い部分を少し、消しゴムツールで薄く削りました。変化が少ないのでわかりにくいですが、少し薄く、柔らかくなったかと思います。
次にハイライトもぼかしが入っていない状態なので、これも消しゴムツールでぼかしていきます。
ハイライトを消しゴムツールで一部消していき、ぼかしを入れました。更に階調に深みを出して綺麗にするために、薄く塗ったハイライトレイヤーを重ねました。仕上げの味付けとして、髪の色に深みを出すため、下の方に
青紫を入れました。詩音のCGには全て入ってますが、この青紫を入れた理由は
何となく良く見えるからです。ライトノベルの表紙でよく見かけるアレです。お好みで。
味付け作業前。味付け作業後。下の方が少しだけ青紫色になっています。やりすぎ注意です。これで髪は完成です。
髪塗り完成!なお、まったく同じようなことをSAIでやろうとすると、綺麗にぼかしたりできずに上手くいかないこともあります。
その場合は
水彩筆ツールを使ってみると、Photoshopと似た効果を得られて綺麗に塗りやすいと思います。
次のステップでは、SAIでは足りなかった全体のぼかし表現をPhotoshopで整えていきます。
SAIとPhotoshopの使い分けについても解説します。