このステップでは
ブラウスの上から下着が透けて見える表現の作業をします。
まず最初に、線画を含むブラジャー関連のレイヤーをすべてまとめたレイヤーセットを作ります。
「ブラ」というレイヤーセットを作成しました。このレイヤーセットを、ブラウス関連のすでに彩色したレイヤー群の上に置きます。
次にレイヤーセットに
「レイヤーマスク」というものを設定し、硬さ0のブラシを使ってブラウスと重なった部分に透け部分を作っていきます。
レイヤーマスクの作り方について説明します。レイヤーマスクを作りたいレイヤーを選択した状態で、レイヤーウィンドウの下にある「レイヤーマスクを追加」アイコン(四角の中に丸が描いてあるアイコン)をクリックすることで作成できます。
赤丸で囲った所にあるアイコンをクリックするとレイヤーマスクを作成できます。レイヤーマスクというのは、白黒のグレースケール情報のみで構成されていて、
黒で塗った部分だけを不可視(透明)に出来ます。たとえば黒成分が50%のグレーになっている部分は50%の半透明になりますし、100%の黒で塗りつぶせば全部見えなくなります。
もちろん元のレイヤーの内容を削除しているわけではなく、マスクでレイヤーの不透明度を決めているだけなので、何度でもやり直しができます。(いわゆる
非破壊的というやつですね。)
レイヤーセットにレイヤーマスクを設定した場合は、レイヤーセット内すべてのレイヤーに対して効果があります。
「ブラ」レイヤーセットにレイヤーマスクを設定し、透け部分を黒で塗った状態です。これで綺麗に透けた下着が出来ました。
マスク作業前の状態です。マスク作業後です。ブラウスが透けました。せっかく綺麗に塗った服の影を有効利用したかったので、
今回は下着側を消す方法を取りました。もちろん服を透明にすることで下着を見せても構いませんが、服を透明にすると服よりもその下に描かれている絵が目立ちすぎてしまうので、今回はこの手法にしています。この辺りはケースバイケースだと思います。
下着は透けましたが、まだ肌色部分が透けていませんね。
これではセクシーさが足りないので、
ブラウスの上に肌色用のレイヤーを作り、肌色を重ねて塗りました。色は基本的には肌色のベース色や1影の色を使うことが多いですが、今回は綺麗さ重視でベース色を使っています。
透け肌を追加しました。だいぶセクシーな雰囲気になって来ました。
これでブラウスを透かす作業は終わりです。
透け作業完成です。マスク作業をSAIで行う方法も説明しておきます。まず、ブラジャー部分だけを線画含めすべてコピーして合成し、ブラジャー部分を1枚のレイヤーにします。
これを更にコピーし、白で塗りつぶします。
白で塗り潰しました。この上に、先ほど合成したレイヤーをクリッピング化します。
下の白で塗りつぶしたレイヤーを、適度に描いたり消したりぼかしたり不透明度を調整することで、クリッピングされたレイヤーが必要な分だけ透けたように見えます。
クリッピングされたレイヤーを消し込む事で透かしました。これらの手法は、例えば表情に髪がかかって重なっている場所を透かしたいときにも使います。けっこう多用するテクニックですね。
次のステップはついに最終回、顔を塗ります。すいませんが何かと忙しく、近日公開となります。
また要望が多かったので教材サンプルとして、
「レイヤー統合前の完成PSDファイル」と「Step9 マスク塗りとエフェクトのかけ方」のDL販売も予定しております。(あくまで職業的トレーニングとして必要とする方用の専門性の高いものですので、多くの方は当ブログの無料の内容で要点は理解できると思います。)